ここ数ヶ月の間に、近所の田んぼを埋めて造られた新しい宅地に、新築住宅が雨後の筍のように次々と建ち上がっています。
毎日、通勤で横を通るときに工事の風景ををぼんやり眺めています。
ある日、ひとつの住宅の外面に合板が貼りまわされた状態を見てはっとしました。
単一の素材に囲まれた立体は、建物というよりも、巨大な模型が住宅地にポンと置かれているように見えたのです。
建物として成立するための防水性、断熱性、機能性といったいろいろが足される前の、「かたち」そのものが見えている感じです。
設計でとても具体的なことを考えている最中なので、巨大模型のような抽象的な風景に突然出会って、思わず足を止めてしまったのでした。
この風景が見られたのはほんの一瞬のことでした。
続いて防水シートやアルミサッシが取り付けられ、外壁パネルが貼り上げられて、少しずつ住宅らしく見えるようになっていきました。