昭和61年の家を繕う
2025

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昭和61年の家を繕う


竣工年 2025
工事種別 改修
所在地 松江市法吉町
主要用途 住宅
主要構造 木造
階数 地上2階
延床面積 122㎡(37坪)
施工 高橋工務店
外構 植吉
写真 千葉ユウキ


夫婦と3人の子どもが暮らす家。
施主は市内で土地を探し家を建てることを検討していたが、住み慣れた町内で暮らしたいという希望から、近所の空き家を譲り受けリフォームする計画となった。

空き家は南の和風庭園に面する続き間のある木造二階建て。
敷地外周に塀が巡らされ、玄関前の駐車場は狭く出入りが難しかった。窮屈な建物配置は交通量の多い前面道路と玄関の距離が近く、小さな子どもが塀の死角から道路に飛び出る危険も感じられた。
そこで、庭+続き間を、駐車スペース+LDKに変更し、日常的に利用するゆったりした勝手口動線を南に新たに設けた。
元の台所と居間は間取りをそのままに、個性の違う和洋2つの個室とした。
新たな仕上げは無垢の木、タイル、左官壁など質感ある素材を採用。
水廻りは快適に過ごせるよう設備を更新した。

木製建具は基本的に元の建具を再利用したり、施主家族自ら一部の壁を漆喰塗りしたり、二階は子どもが大きくなってから部屋を分割する計画とすることで工事範囲を抑えた。

構造的には昭和61年築で新耐震基準に即した建物を、今回の工事でできる限り2000年基準に近付けるよう試みた。合板や金物を追加、主要な接合部には耐震ダンパーを設け、防蟻対策も施した。

家族の暮らしにフィッティングするように一つ一つの選択をした新しい環境で、子どもたちが健やかにのびのびと成長してくれることを願う。