奥谷町の町家 2023

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奥谷町の町家


竣工年 2023
工事種別 新築
所在地 松江市奥谷町
主要用途 住宅
主要構造 木造
階数 地上2階
延床面積 88㎡
構造設計 馬庭建築構造設計事務所
施工 円建創
階段板 木工房高橋
外構 植吉
写真 千葉ユウキ


夫婦と娘の3人家族と愛犬のための新築住宅。
薪ストーブのある暮らし、シンプルで機能的で、市街地に居ながら自然を感じられるオープンな住宅が望まれた。
敷地がコンパクトであることや予算の条件から、開放的なつくりで実際の床面積以上の拡がりを感じられるのびやかな建築を目指した。

周辺環境を観察しながら建築のかたちを検討していくと、骨格は下記3点に集約されていった。
1.建物中央に中庭のような明るい吹き抜けを設けて、住宅全体に光と風を巡らせる
2.前面道路から裏の小路、小高い裏山へなだらかに上っていく地形に沿うように開口部を連続させて、視線や風の通り抜けをつくる
3.一階を土間床にして、屋内であっても薪割りや自転車のメンテナンスなど、屋外・半屋外的な使い方を可能にする
結果的に、通り庭が貫通する伝統的な町家の形式を踏襲した建築となった。

また、親戚から引き継いだサクラ板を階段の踏板に使う、実家で使っていた水屋建具をキッチンの背面収納に組み込むなど、お施主さん夫婦の出身地である九州の素材を計画に織り込むことで、シンプルなインテリアの中にキャラクターが生まれた。

個人住宅ではあるが、まちと地続きの通り庭は道の延長のようでもあり、自然光に満たされた建物中央は公園のようでもある。
外部的な質の空間を内部に抱え込むことでまちへ意識が拡がり、松江の城下町の豊かな環境を楽しんで暮らすことができる建築となったように思う。