前職を退職したとき、以前から読んでみたかったコルビュジエの作品集全8巻を買いました。
ボリュームすごいし高価なためなかなか手が出せなかったのですが、仕事をやめて時間ができるのでここで買わねば!と思い切りました。
作品集を読んでみると、実現されたりされなかったり、規模も大小さまざまな数多くのプロジェクトが載っていて、自分がいかに不勉強だったかを知りました。
これらのプロジェクトを通して、時に煽動的な言葉で、時に皮肉たっぷりな言葉でコルビュジエが語っているのは、
・すべての人が平等に生きる権利があること
・太陽の光、吹き抜ける風、雨の恵みといった自然環境を活かし共生する必要があること
・慣習に縛られた建築や都市のあり方を解放し、新しい生きる環境を構想する必要があること
というようなことで、生きることを讃えているようで、人間への愛が感じられます。
さまざまな建築的な発明も、こういった価値観をベースに、真摯に敷地環境に向き合うことで生まれてきたことがわかります。
写真は基本白黒だったり、建設途中の写真もたくさん載っていたり、ダイアグラムも粗いスケッチだったり、現代のきれいな本と比べると野生的で、コルビュジエがイメージしていた世界観とか持っていたエネルギーが本というかたちになっているように感じられます。
だからこの本を読むととても元気が出るし、前向きな気持ちになれます。
これから先、何度も読み直すことになると思います。
編:ウィリ・ボジガー
訳:吉阪隆正
出版:A.D.A EDITA Tokyo、1991